歯周病
歯周病治療
歯周病とは、歯を支えている骨が溶けていく病気です。食後の食べ残しの歯垢が原因となり、歯を支えている骨が細菌により吸収されていく慢性の病気です。
そのまま放置しておくとやがて歯がぐらぐらと動き出し、最後には自然に抜け落ちてしまいます。
歯を失う原因は20歳代は虫歯ですが、30歳代になるとその原因は歯周病に取って代わります。日本人の30歳代の約80%が歯周病にかかっていると言われ、35歳以上になると約70%の方が歯周病によって歯を失っているという報告も出ているのです。
日本での歯周病患者数は9,000万人とも言われ、まさに国民病とも言える病気なのです。
歯周病は歯を失ってしまうだけでなく、その他様々な病気を誘発する原因となる事が確認されています。
| ■ 脳梗塞 ■ 気管支炎 |
■ 狭心症 ■ 心筋梗塞 |
■ 細菌性内膜炎 ■ 冠状動脈疾患 |
■ 誤嚥性肺炎 ■ 腎炎 |
聞き覚えのある病気もいくつかあると思います。歯の一つの組織に問題があるだけで、体に及ぼす悪要素がここまであるのです。歯への意識をしっかり持つ事が大切です。 歯周病とは漢字の通り歯の周囲にある歯肉、歯を支える骨、歯根膜、セメント質などに病気が起こった状態を示します。歯周病の進行を順に説明します。
■ 歯肉炎
歯と歯肉の間や歯と歯の間にプラークがたまると、プラークと接している歯肉は炎症を起こします。炎症を起こすと歯肉は赤く色が変わり、ぽってりと腫れてきます。歯を磨くと出血があります。
ポケットは炎症によりゆるくなっていきますが、まだ骨や歯根膜に細菌の進入はありません。しっかりプラークコントロールすれば歯肉は引き締まり、元にもどります。
■ 歯周病初期
歯周炎を放置すると、細菌はゆるくなったポケットからセメント質に進入します。
細菌は死ぬとセメント質の上に硬いかたまりを作ります。これを歯石といいます。
歯石は新しい細菌の住処になるのと同時に、それ自体も炎症を起こすとても有害なものです。この時期はもうプラークコントロールだけでは元に戻りません。麻酔して歯石と細菌の進入した、汚染されたセメント質を削り取ります。
■ 歯周病中期
プラーク、歯石、細菌で汚染されたセメント質が存在するためポケット内の炎症はだんだん下や横に進み、歯根膜や骨に炎症を起こします。プラークや炎症による口臭も強くなってきます。
歯根膜に炎症が起こると歯肉がはがれてポケットが深くなり、より細菌が住みやすくなります。歯根膜炎を起こし、噛んだときの違和感や痛みを感じることもあります。骨に炎症が起こると骨は徐々に溶けていき、歯を支える部分が少なくなっていきます。歯を支える骨が少なかったり、炎症が強いときは歯が揺れることもあります。
この時期になると歯周炎初期と同じ治療で治っても、歯肉が下がって根が出てきている状態になります。それでも治らない場合、骨を作る様な手術が必要になることもあります。
■ 歯周病後期
骨がなくなったことによる歯の揺れはさらに炎症を強くし、骨を溶かします。また、歯の揺れにより歯根膜も炎症が強く、揺れるたびに痛みがあるような状態です。特に炎症が強いときは膿が出てくることもあります。
ここまでくると治療しても治すのはかなり難しいのです。
抜くことになる可能性もあります。
治療方法
■ 初期
まず最初に原因菌の診断のために口腔内の菌の状態を観察します。歯肉炎や歯周病初期の場合は、染め出しを使い菌の状態を確認し、ブラッシング指導を行い歯石除去で治します。
■ 中期
これで治らない場合は、歯根の表面に付着した歯石を落とし、表面を滑らかにしてきれいな状態にする治療が必要です。当クリニックでは高周波電気治療で、歯根と歯ぐきの中を洗浄、除菌していきます。このステップで歯周病菌は溶菌し健康な歯ぐきへと変化します。
■ 後期
歯周病治療がここまで進んで歯ぐきは治っても、歯を支えている周りの歯槽骨が吸収してしまってる場合は、失われた骨組織をもとに戻す方法(再生療法)があります。失われた組織内に特殊な膜、あるいは薬剤を填入する事により、再生する事が可能となります。また、歯を支えている骨が少なくなった歯は、1歯ずつではゆれてしっかりと噛む事もできず、噛むたびに歯の寿命を縮めてしまいます。そうならない様にするためには、数歯ずつ、あるいはすべての歯を連結する事によって、力が分散する事ができ、歯が長持ちしていきます。
歯周病中期から後期の場合はこの治療法で歯の保存が可能になります。
歯周病治療はせっかく治療して良くなっても、正しいブラッシングを毎日続けなければまた再発しますので、治療後定期的に口腔内のクリーニングは必要です。